6-3.録音レベル
録音の品質を決める大きな要素の1つに録音レベルがあります。簡単に言えば音量、録音する音声の大きさです。適正よりも小さければ編集時に大きくする調整が必要になり、適正よりも大きければ音声が破綻して深刻な問題になりかねません。録音レベルを意識して収録できれば話し方も収録を意識した物になっていき全体的なレベルアップも期待できます。それほど録音レベルは大事な物だと考えましょう。
6-3-1.レベルメーター
レベルメーターとは一体何か、普段目にするものなのか、見た事はあっても名前が一致しなかったりするかも知れません。
レコーダー以外ではカーナビのサウンド設定等で見ることができるかも知れません。レコーダーには当然付いている機能で、緑色、黄色、赤色の三色で構成され一列の棒状のもが多いです。デジタルの世界では0dbが上限値になりマイナスのメモリ表示になります。
私が愛用しているMackieのミキサー 802VLZ4
右下にある緑、黄色、赤のLEDがレベルメーター
レベルメーターが0dbに達するとピークオーバーと言って、ビリビリと聞きにくい音になります。収録時点では大声で笑う、思わず手を叩く等突発的な大きな音が発生したとしても0dbを越えない様に調整する必要があります。
- レベルメーターによる録音レベルの調整指針
- 0dbには絶対に到達させない。
- -3dbを仮の上限値と考える。
- -12dbから-6db位の間でレベルが振れるように調整する。
音量の変化を示すものにはレベルメーターの他にVUメーターというものがあります。立派なオーディオセットで音に合わせて針がピョンピョンと動くあれです。2022年となっては見る機会も減ってきているかも知れません。針が反応するのに300ミリ秒ほどの時間差があり、音量のピークを確認するというよりは、平均的な音量を確認するのに向いています。
こちらも愛用しているWaves のプラグイン
私は個人的にレベルメーター(ピークメーター)やVUメーターを以下の目的で使用しています。
- ピークメーター:音の破綻がないように0dbを越えない様にする
- VUメーター:音圧、音量バランスを揃える
詳しい方にレベルメーターのアナログとデジタルの違いについて、以下の様に解説して頂きました。
-アナログの世界では積分値が0VUを超えないようにします。デジタルの世界では瞬間値が0dBFSを超えないようにします。アナログの0VUは電波に乗せるときの変調限界やスピーカーに送るときの飽和限界の目安ラインとなります。デジタルの0dBFSはデジタル写真の白飛びのような瞬間過大入力の限界ラインです。-
なるほど、難しい。