対面収録の場合に限った課題になりますがクロストークという言葉があります。話者Aと話者Bが対面で話をしている場合、マイクAには話者Aの音声、マイクBには話者Bの音声が収録される事が期待されます。もし、話者Aが大きな声で話し、マイクBにも収録されたらどうなるか。話者Bの音声が小さいため音量を調整するとそれに応じてマイクBに収録された話者Aの音声も大きくなってしまいます。場合に寄っては聞きづらい音声になりかねません。ブリード等と記載している場合もあり、専門的に正しい用語か調べきれませんでしたが、ここでは「クロストーク」に統一して話を進めます。
※クロストークは他の現象を表す言葉としても使われるので誰かに話す際には誤解のないようにご注意下さい。
クロストークは基本的にはマイキングの工夫で対策をします。各マイクを各話者に近づけ、ゲインを下げる。それだけの対策になります。問題は話者Aと話者Bがそれぞれの声を直に聞いている場合にクロストークは発生し易くなります。対面であってもヘッドホンを通じてお互いの音声を聞くようにするとそもそも大声で話す必要は無くなります。
また、お互いの座る位置を少し遠くにすることも基本的な対策の1つです。例えば1m離れていても十分に表情は読み取れると思います。但しお互いの距離を離す場合はヘッドフォンの使用を推奨します。
レベルメーターをしっかりと確認できるようにしておくのもポイントの1つです。馴れないうちはレベルメーターを目視することを忘れてしまいますが、レベルメーターは音声品質を維持する上で非常に重要な指標の1つです。話者Aが話したときマイクBのレベルメーターが大きく振れることがあれば調整が必要という事がわかります。
調整が難しいようであれば漫才師の様にマイクを1本にして収録してしまってもいいでしょう。声が大きくなるときはマイクから離れ、小声の時にはマイクに近づく。こうしてレベルメーターの振れ方を一定に保つことが出来れば音声品質は大きく向上します。
ZOOM PodTrak P8のレベルメーター
マイクの前に立つ漫才師はただオーバーにリアクションしているのではなく、マイクとの距離感を意識しているのかも知れません。