6-2.マイクの取り扱い方
マイクの取り扱い方もPodcastの品質に直結する要素の1つで、ある程度の知識と経験を必要とします。Podcastの面白いところは「何も考えていません。」という状態でもベストのマイキングを行っている人もいるという事です。ただそれは偶然条件が良いだけなのでやはり基本を知っておくのが良いでしょう。
6-2-1.吹かれ、ポップノイズ対策
まず始めに「吹かれ」という現象について学びましょう。マイクに対してフーフーを息を吹いてみるとマイクがその息を拾い大変耳障りな音が録音されます。吹かれとはこの様に会話中や呼吸の呼気がマイクのダイヤフラム(振動板)を直接揺らしてしまうことにより発生する大きなノイズのことです。
スマートフォンで動画を撮影する機会も増えてきましたが、屋外で録画した際に「ボボボ」と風の音が入ったことはないでしょうか。それも吹かれです。
どの様な収録においてもダイヤフラムに風や呼気が直接当たらないように注意が必要です。
フーフー、ボーボーという呼気以外にも「ぱぴぷぺぽ」等の破裂音など瞬間的に強く息を送る発音による「ポップノイズ」にも気をつけましょう。原理は吹かれと一緒と思っていいです。吹かれ、ポップノイズ対策は実はよく見る「アレ」で行われています。
テレビを見ているとマイクにカラフルなスポンジが付いているのを見ることがあるますよね。
音楽番組で、ボーカルとマイクの間に金網の円盤があるのを見た事はないでしょうか。
他にもテレビの屋外収録の様子で毛むくじゃらのネコの様な物体を長い竿の先に付けているのを見掛けることがあります。あのスポンジや毛むくじゃらは全て吹かれ対策で、ポップガード、ウィンドージャマー、ウィンドースクリーン、ブリンプ等と呼ばれ、呼気等が直接ダイヤフラムへ吹き込むのを抑制しています。
スポンジタイプの例
デッドキャットの例
ブリンプの例
吹かれ対策はマイク内蔵型の物もあるので、要否や種類の選定は試してみて検討してください。厳密に言えばマイクに被せる形の吹かれ対策は音質に変化をもたらすと言われています。ただPodcast収録をする我々にはあまり考慮する必要はないと程度の音質変化だと私は考えています。
余談になるがフェイクファーのウィンドージャマーは通称で呼ばれる事も多く、日本では「モフモフ」、海外では「デッドキャット」と呼ばれたりしています。毛むくじゃらの物体に不思議な愛着を覚えずにはいられないのは世界共通のようですね。