4-6.イヤホンやヘッドホン
Podcast収録ではイヤホンやヘッドホンの使用する事を強くおすすめしています。対面収録であっても、遠隔収録であってもPodcastの音声品質向上を意識した際に大事なことは「収録音声を聞く」事にあるからです。
対面において相手の声はヘッドホンを介さなくても聞こえます。ではマイクが遠すぎて、或いはレベル設定が小さすぎる等の問題があったらどうなるでしょうか。もしレコーダーの音声を聞きながら収録できていれば、音量の違いに素早く気を配ることができるかも知れません。また、マイクに触ってしまう「タッチノイズ」やマイクに息が吹き掛かる「吹かれ」についてもマイクを経由した音声でなければ確認する事は出来ません。ヘッドホンを使用しなければ自分がマイクを吹いていることに気がつかないまま収録を続行してしまい、いざ編集となった段階で冷や汗をかくことになるかも知れません。
最初は馴れないものですがPodcastの品質を向上させるためにはプラスの行為ですので少しずつ「収録音声を聞きながら収録する」スタイルに馴れていくことをおすすめします。
遠隔収録においてはノイズキャンセルやエコーバック、音漏れの問題があります。
例えばビデオ会議ではイヤホンを付けずにスピーカーから音声を聞くのは当たり前の光景です。エコーキャンセル機能によりスピーカーから再生された音声を消去して通話に支障をきたさないような仕組みになっています。スマートフォンのハンズフリー通話も同様ですね。当然、私達が遠隔収録する際もエコーキャンセル機能の恩恵を受けることは可能ですが、一般的に音声品質の低下を招く可能性が高まるため使用はおすすめしません。対策は単純で、イヤホンなどを使用して「相手の音声」が「自分のマイク」に入力されないようにします。
ここで注意が必要なのは「音漏れ」です。イヤホンを付けているからと安心して確認を怠ると、イヤホンから漏れ聞こえた音声がマイクにしっかり入っていることがあります。常に雑音混じりの音声が背後に聞こえる大変扱いづらい音源になってしまうかも知れません。
イヤホンやヘッドホンは「これを選ぼう」と言うベストチョイスは特にありません。イヤホンではカナル型やインイヤーと言われるように耳にピッタリと差し込むタイプが「音漏れを防ぐ」という観点から無難な選択です。ヘッドホンでも同様の理由で密閉型がベターな選択です。
オススメしにくいのがBluetooth接続タイプの無線接続方式です。Bluetoothはコーデックによる違いはあるものの、音声信号の伝送には比較して直ぐ分かる程度の遅延が生じます。遅延量は有線の場合では気にするほどではないので、有線接続のものを使用するのがおすすめです。
余談になりますが赤外線通信方式は遅延が非常に少ないと教えて頂きました。また、楽器演奏やプロの収録現場では2.4Ghz帯の無線接続方式が使用されています。