3-1.Podcastを起点にしたクロスメディア展開
動画配信のチャンネル登録者増加、再生回数増加は基本的に以下の仕掛けに支えられています。(いわゆる「バズる」という現象はここでは考慮しません。)
- YouTubeの知名度向上の仕掛け
- チャンネル登録者数、いいね評価数表示
- ダイナミックな表示順位の変化
- 関連動画などによる誘導
- キーワード検索
Podcastにもこれらの仕組みは存在しますが、使い勝手や評価は各プラットフォームに依存します。
RSSによる配信というPodcastの基本構造のため、聴取管理方法例えばアプリの選択はユーザー側に委ねられています。その結果、正確な聴取者人口の把握は非常に難しい課題の1つとなっていて、2021年現在も統一的な統計方法は定まっていません。
それ故に同一番組に対する登録者数の動向にプラットフォーム毎の関連性を証明するようなデータはなく、どこかのプラットフォームを「業界全体の縮図」として参照する事も無理があると言わざるを得ない状況です。それらの要素が絡み合い、Podcastの登録者数、聴取回数というのは非常に評価しづらいものとなっていて、収益化に対する親和性の低さの一因にもなっています。
参考URL:https://www.allearsenglish.com/
余談になるが、クロスメディア展開という意味で1つの事例を紹介します。
Podcastを「その先のコンテンツに誘導するため」のティザー広告や無料体験と捉えている場合も多くあります。
私も聴取している「ALL EARS ENGLISH PODCAST」です。iTunesのランキングでも上位に表示されるコンテンツですから聞いた経験がある方も少なくないのではないでしょうか。英語を学習しようという全世界の聴取者に向けて発信されていて、なかなか聞き応えのある番組です。ただ、内容が良いだけではなく商業的にも成立していると思われる仕掛けがたくさんあります。
- All Ears English Podcastの例
- Podcast :内容のしっかりしたコンテンツを無料配信
- コンテキスト :メルマガ登録で無料配布
- レッスン割引 :オンラインレッスンへ誘導
草の根のポッドキャスターとしてここまで露骨に商業と結びついている事に多少驚きましたが、無料で提供されているPodcastが非常に中身のあるコンテンツとなっている為か、番組が提供する「語学学習」というテーマを補う誘導のためか、聴取者には自然な形で受け入れられています。