YouTubeは広告を軸にした収益化により配信者に利益を分配しています。
映像を基本とする動画配信はオーバーレイ表示など広告表示方法にもバリエーションがあります。突然広告が再生されても視覚情報を伴っているため視聴者としてもあまり違和感なく広告を受け入れられます。CMに対して好意的か否かは別の問題としてテレビの時代から「広告挿入は受け入れられている」といえるかも知れません。
音声配信についてどうでしょうか?前後の脈絡もなく番組が切られ、突然広告音声が挿入されたら…静かなトークに突然〇天モバイルの広告が入り込んだら…場合に寄っては驚いたり不快感を覚える可能性もあるでしょう。視覚による補助がないため広告か本編かを瞬時に認識できない可能性もあります。そういった事情で自動的に広告を挿入するモデルは音声配信との親和性はまだ低いと言えます。
音声配信における収益化はどの様な方法があるでしょうか?2022年3月時点では主に以下の方法が考えられます。
- 音声配信における収益化の方法(抜粋)
- 広告型
- スポンサー(自主的広告挿入)型
- サブスクリプション型
- クラウドファンディング型
- 販売(グッズ・過去音源)型
広告型はYoutubeのようにプラットフォーム側が広告を挿入する形です。配信プラットフォーム側で自動的に広告音声を挿入します。欧米ではこの分野が盛んになってきているような雰囲気です。
スポンサー(自主的広告挿入)型は番組内で自分たちの言葉で広告を挿入する形です。私の知るところでは例えば「ハローやんさん」では「anchorを使って音声配信しましょう」という広告がナタリーさん自身の音声で挿入されています。
他にもつるちゃん、コッティさん、テツにいさんの「ノウカノタネ」でも同様の広告が挿入されていました。
どういう仕組みなんですか?とナタリーさんに聞いてみたら詳しく教えてくれました。
anchorで配信の準備をするにあたり、複数のパートを並べて構成できます。例えば「オープニングトーク→ジングル→テーマ①→ジングルテーマ②→エンディング」という感じです。
その素材と素材の間に「Sponsored Segment (スポンサードセグメント)」という枠を挿入できます。この枠自体は音声を持たず、ただ枠として認識されます。このスポンサードセグメントを設定しておくと、anchorに広告を出したいスポンサーの広告が自動的に挿入される仕組みです。
前述の「anchorでポッドキャストを初めて見ませんか?」というのはそのanchorがスポンサーとなり、台本にしたがって録音した音声がこのSponsored Segment(スポンサードセグメント)に挿入された、という感じです。
なかなか上手い仕組みだなと思いました。
ナタリーさん、色々教えて頂いて有り難うございます♪
「流行りモノ通信簿」のエピソード132、エピソード133、エピソード134では「Amazon Music」の協賛によりホネストさんとコヘイさんによる広告が挿入された。スポンサーがいるものの、自由な構成で流行りモノ通信簿らしさ前回のコンテンツとなっていたのも面白いポイントです。
詳しくはエピソード132回「EP.132|NFTの世界。ボクは価値観をアップデートできるかな ★」で語られていますがAmazonさんからのお声がけですって、凄いですね!
サブスクリプション型はAppleがサービス提供を開始したことで認知度が上がったように思います。プラットフォームにより方法は多少異なるようですが、月間の価格を設定してサブスクリプションを利用している聴取者限定のコンテンツを用意するのが一般的です。また、サブスクリプションではあるものの、独自コンテンツを用意しないスタイルもあるようで、こちらはクラウドファンディング型に近い印象を受けます。
音声配信とは切り離した形で聴取者からの支援を受け取る形として認知度が上がっているがクラウドファンディング型です。私たち電器屋Walkerではクラウドファンディング「キャンプファイヤー」のコミュニティという機能を利用してサブスクリプションを設定しています。聴取者は毎月定額をサブスクし、キャンプファイヤーが決済手数料などを差し引いた額を配信者は受け取ることができる。サブスクリプションには予めリワードを設定し、聴取者はそのリワードを得ることが出来る仕組みです。電器屋Walkerでは番組ノベルティグッズをプレゼントし、希望者はブログや番組内でお名前をご紹介しています。
販売型はその名の通り、何かを販売しその対価として支援を受け取る形です。既にサーバーから削除された過去音源を配布したり、オリジナルグッズを作成してそれを販売したり等比較的古くから活用されてきた方法です。オリジナルグッズ等は制作過程を見れば実は割に合わない方法だと思いますが、聴取者の満足度も高く番組との一体感を醸成する上では大変有効な方法です。
収益化とは応援
この記事を配信した直後、ゆいまるさんが記事をリツイートしてくれましたが、そこに「番組を継続するためにあなたの好きなポッドキャストを応援してくださいね!」と書いてありました。あぁ、このお話しをしなきゃダメだったなと思い追記しています。
収益化とは一体何なのか?マネタイズと呼ばれる事もありますが、いかにも「稼ぐ、利益をだす」的な印象を持つ方も少なくはないと思います。ただ、ポッドキャストに限ってはその意味合いは殆ど無い状態です。どの配信者も機材やDAWにこだわり始めると万単位で費用が発生します。毎月のサーバーレンタル料やドメイン管理料も馬鹿になりません。それをお小遣いの中から捻出しているのが実情です。
趣味の活動ですから、それは自己責任と言いますか当たり前のの出費なのです。それを配信を楽しんで下さる聴取者の立場になって考えた時に、例えば「毎月500円、コンビニにちょっと立ち寄ったくらいの金額で応援する」事で、お気に入りの番組の継続を応援できる。そんな仕組みの1つが収益化だと感じて頂けると良いなぁと思います。
スポンサーがつくような立派な番組もあります、企業が主体性をもって配信する番組もたくさんあります。その中で草の根の活動として素敵な番組もたくさんありますので、その番組を応援して頂けると嬉しいなぁ。そんな風に思います。